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飲み会でのお酒の断り方は短い意思表示から
飲み会でのお酒の断り方は、まず「今日は飲みません」と短く伝え、勧めが続く場合の行動まで用意するのが基本です。この記事では、飲み会への参加そのものを断る連絡とは分けて、参加した席でお酒だけを断る場面を扱います。以下の8つの文例は公的機関などの資料を踏まえた編集上の提案であり、相手の納得や人間関係の維持を保証するものではありません。
| 場面 | 使う文例 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 最初にお酒を勧められた | 文例1:お礼と飲まない意思 | 短く伝えて返事を待つ |
| 詳しい理由を聞かれた | 文例2:事情は控えるという返事 | 話してよい範囲だけにとどめる |
| 参加が決まって連絡する | 文例3:飲まずに参加する希望 | 乾杯の注文方法を確認する |
| 最初の注文やお酌の前 | 文例4:代わりの飲み物を指定 | 注がれる前に希望を伝える |
| 「一口だけ」と言われた | 文例5:量にかかわらず断る返事 | 同じ意思を繰り返す |
| 断っても勧めが続く | 文例6:勧めるのをやめてほしい | 協力依頼や退席へ進む |
| 一人で対応するのがつらい | 文例7:間に入ってもらう依頼 | 席の移動などを頼む |
| その場にいるのが負担 | 文例8:切り上げる意思 | 頼れる人に声をかけて離れる |
最初に飲まない意思を伝える
文例1「お気遣いありがとうございます。今日はお酒は飲みません。」
最初の返事では、飲まないという結論まで一度に伝えましょう。お礼は声をかけてくれたことへの返事で、「飲みません」は自分の選択を知らせる言葉です。お礼を添えたからといって、お酒を受け取る必要はありません。
米国国立アルコール乱用・依存症研究所は、親しみと敬意を保ちながら、短く明確で毅然と返事をする方法を紹介しています。イリノイ大学スプリングフィールド校の相談センターも、説明は必須ではなく、短く直接的な返事でよいと案内しています。ここでは、相手を納得させる理由よりも、自分の希望が伝わる言葉を先に選ぶのがポイントです。
友人には「ありがとう。今日はお酒は飲まないよ」、上司や先輩には文例1のような丁寧な語尾が使えます。関係に合わせて調整するのは敬語の部分で、飲まないという中心部分はそのままで大丈夫。「上司だから理由を長く説明しなければ」と考えて、話したくない事情まで付け加える必要はありません。
一方、飲む予定がないのに「あとで」「今はまだ」と答えると、返事の内容は飲酒の保留になります。自分では断ったつもりでも、あとで飲む余地を残した表現です。その日の飲酒を断りたいなら、時間の話ではなく「今日は飲みません」と言い切るほうが、希望を明確に示せますよ。
たとえば、最初のやり取りは次の長さで十分です。
相手「ビールにする?」
自分「お気遣いありがとうございます。今日はお酒は飲みません。」
ここで一度、相手の返事を待ちます。続けて「本当にすみません」「せっかくなのに」と謝罪を重ねたり、聞かれていない事情を説明したりしなくてかまいません。返事を待つことと、相手に飲むかどうかを決めてもらうことは別です。
相手から「そうなんだ」と返ってきたら、飲み物の注文や料理の話へ移ってよいでしょう。「どうして?」と聞かれても、詳しく答えるかどうかは自分で選べます。断りを一度伝えるたびに、新しい説明を用意する決まりはありません。
ただし、短く丁寧に言えば勧めが止まるとは限りません。表情や声の調子を細かく整えようとして負担になるなら、まず言える長さで飲まない意思を伝えてください。最初に言い切れなかったら、次に注文するときに飲まない意思を伝え直す形でもかまいません。
理由を詳しく話さずに断る
文例2「事情は控えますが、今日はお酒を飲みません。」
飲まないことと、その理由をどこまで話すかは分けて考えられます。上司や先輩から聞かれた場合も、断るための説明として病名や服薬の内容を詳しく明かす必要はありません。話したくないときには、文例2のように、事情には触れず結論を伝える選択肢があります。
イリノイ大学スプリングフィールド校の相談センターの案内では、飲酒を断る際の説明は必須ではありません。また、米国国立アルコール乱用・依存症研究所は、長い説明や曖昧な言い訳は、飲むかどうかの議論を長引かせやすいとして避けるよう勧めています。相手から質問されたことを、すべて答えなければならない合図にしなくてよいのです。
もちろん、自分が伝えてよいと思う事実を短く添えてもかまいません。もともと飲めないなら体質について、今日は控えたいならその日の体調について、話せる範囲を選びましょう。ここで大事なのは、実際の事情だけを使うことです。病気や妊娠を作り話にして、断るための理由を用意する必要はありません。
たとえば、理由を聞かれたときの会話は、次のように区切れます。
相手「何かあったの?」
自分「事情は控えますが、今日はお酒を飲みません。」
相手「理由くらい教えてよ」
自分「詳しいことは控えさせてください。今日は飲みません。」
相手の質問が続いても、話す範囲を広げなくて大丈夫です。「詳しい話はしない」という返事と、「飲まない」という返事を分けておくと、理由の説明を断る際にも意思を伝えられます。ただし、このやり取り自体が負担なら、何度も同じ場にとどまる必要はありません。
厚生労働省は、飲酒の影響には年齢・性別・体質などによる個人差があり、そのときの体調にも左右されると説明しています。「同じ年齢の人が飲める」「以前は自分も飲んだ」といったことだけで、その日も飲めると決めないでください。
また、同省は、服薬後の飲酒で薬の効果が弱まったり、副作用が生じたりする場合があるとしています。療養中や服薬後に飲んでよいか迷うときは、その場の人の勧めで決めず、主治医へ確認しましょう。飲み会の席で病状や薬の名前を公開することとは別の話です。
「理由を詳しく話さない」という返事は、事情を話したくない人のための選択肢です。自分から共有したい事情があるなら、話すことまで控える必要はありません。どこまで伝える場合でも、飲まない意思を最後に曖昧にしない形で整えておきましょう。
乾杯前に飲まない準備を整える
乾杯前は、言葉で断る準備に加えて、幹事への共有と最初の注文を整えておきましょう。お酒を飲まないために、余分な仕事や盛り上げ役を引き受ける必要はありません。
幹事へ事前に希望を伝える
文例3「当日はお酒を飲まずに参加します。乾杯もソフトドリンクでお願いします。」
参加が決まった後の連絡では、飲まないことと、最初に何を用意してほしいかを伝えると具体的です。文例3は、欠席の連絡ではなく、参加するときの飲み物の希望。事情を説明する文章を長く添えるより、幹事が注文について確認できる内容にしましょう。
連絡先は、まず幹事や注文を取りまとめる人など、必要な相手に絞ってかまいません。全員に体質や体調を知らせることと、注文担当者に希望を伝えることは別です。みんなが見られる連絡の場では話しにくいなら、幹事への個別連絡を選べます。
その際は、最初の飲み物を自分で注文できるかも確認しておきます。個別注文なら希望するソフトドリンクを自分で選び、一括注文なら、自分の分をビールに含めず何を用意してほしいかまで伝えましょう。事前の連絡だけで注文が決まったとは限らないので、当日も最初の注文時に確かめる流れです。
希望の飲み物があるか分からない場合は、店にあるソフトドリンクから選びたいと伝えれば十分です。一つの商品にこだわる必要はありません。飲み物の種類を後で決める場合も、「お酒を飲むかどうか」まで保留にせず、飲まない希望は先に共有できます。
米国国立アルコール乱用・依存症研究所の介入マニュアルでは、勧める相手や場所を具体的に想定し、断る返事を練習する方法が紹介されています。一般の飲み会での効果を保証する資料ではありませんが、返事を準備する考え方として参考にできますよ。
練習するなら、実際にありそうな声かけを一つ選び、文例1や文例3を声に出してみましょう。長くて言いにくければ、飲まない意思が残る長さに縮めてかまいません。返事だけを暗記するより、誰に、どのタイミングで伝えるかも一緒に考えておく準備です。
頼れる同席者がいる場合は、飲まないで参加する希望を事前に共有しておけます。イリノイ大学スプリングフィールド校の相談センターも、友人と行動方針を決め、その方針に沿って一緒に行動する方法を紹介しています。たとえば、勧めが続いたら幹事へ声をかける、必要なら一緒に席を離れる、といった希望を相談しておきましょう。
日本損害保険協会のマニュアルは、主催者に対し、最初の挨拶で飲まない人へ無理に飲ませないよう伝えることや、ノンアルコールの飲み物を用意することを挙げています。個人の事情を皆に説明しなくても、会全体の案内として配慮を頼む方法があります。本人だけが何度も断る前提にせず、幹事が担える準備も相談してよいのです。
乾杯の飲み物を自分で選ぶ
文例4「乾杯はウーロン茶にします。私の分のビールは注がなくて大丈夫です。」
最初の注文では、代わりに飲むものを先に選び、必要ならお酌を断る言葉まで続けましょう。文例4なら、前半は飲み物の指定、後半は注がないでほしいという希望です。「ビールはいりません」だけで止めず、自分が何を頼むかまで伝えられます。
イリノイ大学スプリングフィールド校の相談センターは、お酒の代わりに炭酸飲料を選ぶ意思を伝える返事を掲載しています。ここでの考え方は、お酒を断った後の注文を具体的にすること。ウーロン茶に限らず、その場で選べるソフトドリンクの中から、自分の飲みたいものを指定すればかまいません。
一括でビールが注文されそうなら、注文をまとめる声が上がったときに、自分の分の希望を伝えます。すでに事前連絡をしていても、注文担当者が別の人なら、あらためてひと言添える方法があります。幹事に伝えた内容を、同席者全員が知っているとは限らないためです。
たとえば、乾杯前の注文の場面なら、次のようにつなげられます。
相手「最初は全員ビールでいい?」
自分「乾杯はウーロン茶にします。私の分のビールは注がなくて大丈夫です。」
自分で注文できる席なら、メニューを見て希望する飲み物を頼みましょう。注文をまとめてもらう席では、自分の分が伝わっているかを確認します。飲まないと断り続ける言葉だけでなく、注文をどう進めるかまで決めておく形です。
お酌の場面では、瓶を向けられたときなど、注がれる前に言葉を添えます。相手の動きが早く、伝える前に注がれてしまったとしても、注文やお酌を飲む約束にする必要はありません。自分の飲み物を改めて頼み、用意されたお酒を飲まない選択ができます。
「乾杯のときだけはお酒にしたほうがよいのでは」と迷う場合も、最初からソフトドリンクを希望してかまいません。日本損害保険協会のマニュアルには、主催者が最初の乾杯の時からソフトドリンクをテーブルに常備する配慮が挙げられています。乾杯用のお酒を一度受け取ってから断る順序に合わせなくてよいのです。
幹事側は、最初の飲み物を確認するときから、お酒以外の希望も聞く形にできます。飲まない人の注文だけを後回しにせず、一緒に用意することを相談してみましょう。本人が周囲の飲み物を配ったり、注文の役を引き受けたりすることを、ソフトドリンクを頼む条件にする必要はありません。
もっとも、飲み物を手にしているだけで勧めが止まるとは限りません。注文の準備は断る言葉を補うものとして考え、飲酒を勧められたら、飲まない意思も伝えてください。注文が通ったかと、勧めへの対応が必要かは、それぞれ確かめておけます。
勧めが続いたら返事を段階的に変える
一度お酒を勧められた場面と、断った後も勧めが続く場面では、次に伝える内容を分けて考えましょう。まずは同じ意思を返し、それでも続くときは、勧める行為をやめてほしいという要望へ進めます。
一口だけにも同じ意思を返す
文例5「一口でも飲みません。今日はお茶にします。」
「一口だけなら」と言われたときも、飲まない希望を量の相談に変える必要はありません。文例5は、一口でも飲まないと明確にしたうえで、代わりに飲むものを伝える形です。「一口は多いけれど、もっと少しなら」と量を調整する話に入らず、自分の選択を返せます。
米国国立アルコール乱用・依存症研究所の介入マニュアルには、飲酒を迫る発言に対して、一つの明確なメッセージを繰り返す方法が記載されています。相手が別の言葉で勧めてきても、こちらまで新しい理由を考え続けなくてよいという考え方です。
たとえば、少量を勧められる会話なら、同じ意思を次のように返します。
相手「一口だけならいいでしょう」
自分「一口でも飲みません。今日はお茶にします。」
相手「少しなら平気じゃない?」
自分「量にかかわらず、今日は飲みません。」
返事を繰り返す際に、相手の言い分を一つずつ検討して答える必要はありません。「平気かどうか」をその場で証明するのではなく、自分は飲まないと伝えるやり取りです。新しい理由を加えず、飲まないという中心部分を保っておきましょう。
「前は飲んでいた」と言われた場合も、過去の飲酒について長く説明しなくてかまいません。以前のことを否定せずに「今日は飲みません」と現在の希望へ戻せます。前に飲んだ事実があっても、今回の飲酒まで約束したことにはならないからです。
厚生労働省は、アルコールを分解する酵素のはたらきが体質的に弱い場合などには、少量でも体調が悪くなることがあると説明しています。また、体質的にお酒を受け付けられない人の飲酒を、飲酒を避けることが必要な場合として挙げています。「一口なら安全」という前提で応じる必要はありません。
ただし、この説明から自分の体質を診断したり、飲んで確かめたりすることは勧めません。飲めない理由を医学的に説明できなければ断れない、ということでもないのです。今日は飲みたくない人も、飲まない意思を伝える言葉として文例5を使えます。
同じ返事を続ける方法には、やり取りそのものが負担になるという限界もあります。繰り返すのがつらくなったら、相手が理解するまで答え続けなくて大丈夫。次の文例のように勧めをやめてほしいと伝えるほか、同席者への協力依頼や退席へ進めます。
何回まで繰り返すかを、あらかじめ決められなくてもかまいません。一度の返事で負担を感じることも含め、自分の状態をもとに次の行動を選んでください。粘り強く断り続けられたかどうかで、対応の良し悪しが決まるわけではありません。
勧めるのをやめてほしいと伝える
文例6「飲まないとお伝えしています。これ以上勧めるのはやめてください。」
断った後も勧めが続く場合は、飲まない理由を増やすより、相手にやめてほしい行動を具体的に示せます。最初の断りは「自分は飲まない」という選択の説明で、文例6は「これ以上勧めないでほしい」という要望です。繰り返しを止めてほしい場面では、この違いを言葉にしてみましょう。
米国国立アルコール乱用・依存症研究所の介入マニュアルは、単純な断りから、飲むよう説得するのをやめてほしいと求める返事まで準備する方法を示しています。ずっと同じ言い方にとどまるだけでなく、勧めが続く場合の返事も持っておく考え方です。
この段階で、飲めないことを立証する説明は必要ありません。「なぜ飲めないか」と尋ねられても、いま伝えたいのは、飲まないと返事をした後の勧めをやめてほしいということ。話題が理由の詮索へ移ったら、文例6の要望へ戻せます。
たとえば、やり取りの目的は次のように絞ってみましょう。
相手「遠慮しなくていいから」
自分「飲まないとお伝えしています。これ以上勧めるのはやめてください。」
相手「どうしてそんなに断るの?」
自分「飲むように勧めるのをやめてほしいです。」
この会話は、相手に言い返して勝つためのものではありません。相手がその場で考えを改めたと認めるまで話し合うことも、目標にしなくて大丈夫です。要望を伝えたら、勧めが止まったか、自分はその席にいられる状態かを見て、次にどうするかを選びましょう。
たとえば、幹事に間に入ってもらう、頼れる同席者の近くへ移る、その場を離れるといった行動が候補です。文例6を伝えた後も続くなら、同じ相手とのやり取りだけで解決しようとせず、周囲へ協力を求めてかまいません。次の行動を先に考えておくことも、返事の準備に含められます。
厚生労働省は、他人に無理な飲酒を勧めることを避け、飲酒を契機とした暴力や暴言、ハラスメントなどにつながらないよう配慮すべきとしています。断られた後の勧めを、断る人の言葉選びだけの問題として扱うことはできません。
上司や先輩に対して、この文例を口にすることが難しいと感じる場合もあるでしょう。そのときに、例文を最後まで言うことを優先する必要はありません。幹事に相談する方法や退席を先に選んでもよく、段階を順番どおりに踏む義務もないのです。
文例6が自分の口調では言いにくいなら、やめてほしい行動を示す部分を残して整えましょう。敬語を選び直しても、最後に「でも、一口なら」と飲む余地を足す必要はありません。要望を伝えた後の返事で迷わないよう、次に頼る人まで考えておけます。
一人で断り続けず周囲に頼る
一人で断り続けるのがつらいときは、誰に何を頼むかを決めて、協力を求めてかまいません。気まずさへの配慮だけで席にとどまろうとせず、協力が得られない場合の退席も選択肢に入れておきましょう。
同席者に具体的な協力を頼む
文例7「何度か断っても勧められています。飲まないでいられるよう、間に入ってもらえますか。」
協力を頼むときは、困っている状況と、してほしいことを一緒に伝えると具体的です。文例7では、すでに何度か断ったことを知らせたうえで、相手との間に入ってほしいと頼んでいます。飲めない事情を一から説明するのではなく、いま必要な手助けを伝える形ですよ。
頼る相手は、幹事や信頼できる同席者など、その場で声をかけやすい人から選びましょう。役職が高い人に限る必要はありません。勧めてくる相手の近くでは話しにくいなら、席を立ったときなど、声をかけられる機会に短く相談する方法があります。
間に入ってもらうだけでは希望が伝わりにくいときは、頼みたい行動を一つ足します。勧めている人に飲まない希望を伝えてほしいのか、別の席へ移るのを手伝ってほしいのかで、必要な動きが違うためです。自分がいま負担に感じている場面に合わせて選んでください。
たとえば、お酒の注文が繰り返されるなら、自分の分はソフトドリンクになっているか確認を頼めます。隣の人から勧めが続くなら、席を替われるか幹事に相談する選択肢です。頼れる同席者には、いったん一緒に席を離れてほしいと伝えることもできます。
その際、個人的な事情を全員へ広めてもらう必要はありません。「飲まない希望だけ伝えてほしい」「詳しい事情は話さないでほしい」と、共有してよい範囲も添えられます。自分への協力を頼むことと、体質や病気について会全体に説明してもらうことは分けておきましょう。
米国国立アルコール乱用・依存症研究所は、周囲の人へ支援を求めることを対処の選択肢に挙げています。イリノイ大学スプリングフィールド校の相談センターが紹介する、友人と方針を決めて一緒に行動する方法も、事前の相談を考える際の参考です。
事前に頼める場合は、勧めが続いたら間に入ってほしいことや、席を離れたいときの希望を話しておけます。当日になって初めて困った場合は、文例7のように現状を伝えて頼めばかまいません。準備していなかったから相談できない、ということではないのです。
また、幹事が会全体に「無理に飲ませないように」と案内する配慮は、日本損害保険協会のマニュアルにも示されています。厚生労働省も無理な飲酒の勧めを避けるよう求めており、飲まない人だけが対応を背負う前提にはしないでください。
ただ、相談した相手から希望どおりの協力が得られるとは限りません。「少しなら飲めば」と返された場合に、相談相手まで説得し続ける必要はないのです。別の頼れる人へ声をかけるか、その場を切り上げるかを選び、飲まないで過ごしたいという希望を後回しにしないようにしましょう。
負担が続く席を切り上げる
文例8「飲酒を勧められるのが負担なので、今日はここで失礼します。」
返事をすること自体がつらくなったら、飲み会の途中でもその場を離れる選択肢があります。文例8は、勧めが続くことを負担に感じていると伝え、今日は切り上げると知らせる言葉です。相手から納得の返事をもらってからでなければ動けない、と考える必要はありません。
米国国立アルコール乱用・依存症研究所は、言葉で対処できない場合にその場を離れる方法を示し、飲酒への誘惑が強くなったときの退避を計画することも勧めています。一般の飲み会でも、返事の準備とあわせて、離れる際の動きを考える参考になります。
まず、席から少し離れたいのか、会を切り上げて帰りたいのかを、自分の状態に合わせて選びましょう。まだ判断がつかなければ、頼れる人といったん席を離れてから考えてかまいません。その場に戻ることまで先に約束せず、離れた後で決める方法です。
帰ると決めた場合は、余裕があれば幹事に短く伝えます。勧めてきた人とのやり取りを最初から説明し直したり、全員への挨拶を一人ずつ続けたりすることを、退出の条件にする必要はありません。文例8を言いにくければ、今日はここで失礼するという結論だけでも伝えられます。
途中で切り上げる可能性が気になる人は、参加前に帰る手段を考えておくと準備になります。利用する交通手段と、帰りたいときに声をかけられる人を確認しておきましょう。頼れる同席者がいるなら、退出するときに一緒に席を立ってほしい、店の外まで付き添ってほしいなど、希望する範囲を相談できます。
たとえば、事前に伝えた幹事が近くにいる場合は、帰る意思を知らせてから移動する形でよいでしょう。一方、幹事が見当たらず、そこにいるのがつらい場合は、まず離れて、落ち着いて連絡できる状態になってから短く知らせる方法もあります。その場の状況に合わせて順序を変えてください。
怖さを感じる場合は、文例どおりに言うことや、丁寧な挨拶を済ませることを優先しなくて大丈夫です。説明を長引かせず、その場から離れることを優先してください。自分だけで動くのが難しいなら、近くの頼れる人へ、離れるのを手伝ってほしいと短く伝える選択肢があります。
厚生労働省は、無理な飲酒の勧めを避け、暴力や暴言、ハラスメントなどにつながらないよう配慮すべきとしています。こうした場面を、本人がもっと上手に断ればよかったという話だけで終わらせないことも大切です。
飲み会には参加したかったとしても、負担が続く席に最後までいる約束までしたわけではありません。退出の説明を十分にできなかった場合も、自分を責める材料にしないでください。用意した言葉を使うか、周囲へ頼るか、その場を離れるかを、そのとき選べる形にしておきましょう。
まとめ|飲み会でのお酒の断り方を自分の言葉にする
飲み会でのお酒の断り方は、飲まない意思を短く伝えるところから始められます。詳しい事情を話すかどうかは自分で選び、勧めが続くときの行動も用意しておきましょう。
- 最初は、お礼に添えて「今日はお酒は飲みません」と明確に伝える。飲む予定がないときは、「あとで」などの保留表現を避ける。
- 乾杯前に幹事へ希望を伝え、最初の注文やお酌の前に、代わりに飲むものを具体的に選ぶ。
- 「一口だけ」「前は飲んでいた」と言われても、理由を増やさず、今日の飲まない意思を返す。
- 断っても勧めが続くときは、勧めるのをやめてほしいと伝え、幹事や信頼できる同席者へ具体的な協力を頼む。
- 返事や相談が負担になったら、段階をすべて踏もうとせず、席を離れたり会を切り上げたりしてよい。
8つの文例を丸ごと覚える必要はありません。自分が口にしやすい言葉に整え、頼れる相手や帰る手段と一緒に準備してみてください。うまく言えなかったときも、飲酒を勧められ続ける負担まで一人で引き受けなくて大丈夫ですよ。🍵
